今や世界トップクラスの実力を誇るロシアの女子フィギュアスケート界。
その中でも注目されている1人がアリョーナ・コストルナヤ選手です。
先日行われたNHK杯でも紀平梨花選手を押さえて優勝し、12月に行われるグランプリ・ファイナルにも出場予定です。
そんなロシアの若手アリョーナ・コストルナヤ選手ですが、そのコーチや振付師は誰なのでしょうか。
また、トリプルアクセルを武器にしていますが、どれくらいの成功率なのかも気になりますね。
今回は、まだまだ知られていないアリョーナ・コストルナヤ選手についてご紹介します。
Contents
アリョーナコストルナヤのコーチと振付師は誰?
アリョーナ・コストルナヤ選手のコーチは、エテリ・トゥトベリーゼコーチです。
エテリ・トゥトベリーゼコーチの血筋は、1/2がグルジア人、1/4がロシア人、1/4がアルメニア人だそうです。
自身は、元々シングルの選手であり、のちにアイスダンスの選手としても活躍していました。
エテリ・トゥトベリーゼコーチは元からロシアでコーチをしていたわけではなく、18歳の時にアメリカへ移住ししばらくIce Capadesでペアスケーターとして参加したのち、アメリカでコーチとなりました。
そしてその後ロシアに帰国し、現在に至ります。
また、アリョーナ・コストルナヤ選手の振付師はダニエル・グレイヘンガウスコーチです。
ダニエル・グレイヘンガウスコーチは、元シングルとアイスダンスの選手で、シングルとしては2007年のロシアジュニア選手権で銅メダルを獲得、アイスダンスの選手としては2011年のNRW杯で優勝しています。
現役を引退してからは、モスクワのザンボ70というリンクでコーチや振付師として活躍しています。
このように、アリョーナ・コストルナヤ選手のコーチであるエテリ・トゥトベリーゼコーチとダニエル・グレイヘンガウスコーチは元フィギュアスケート選手でしたが、どちらも現役時代には輝かしい成績を残していたわけではないようです。
それにもかかわらず、アリョーナ・コストルナ選手のような素晴らしい選手を指導しているというのは、エテリ・トゥトベリーゼコーチの指導方法に何か秘密があるのかもしれません。
アリョーナコストルナヤと同じコーチの選手は?
アリョーナ・コストルナヤ選手のコーチであるエテリ・トゥトベリーゼコーチは、「ロシア女子選手のコーチといえばエテリ・トゥトベリーゼコーチ」と思い浮かぶほど数多くのトップ選手を抱えています。
2019年のグランプリ・ファイナルに出場する女子選手6人のうち4人がロシアの選手ですが、その中でもアリョーナ・コストルナヤ選手とアレクサンドラ・トゥルソワ選手、そしてアンナ・シェルバコワ選手の3人がエテリ・トゥトベリーゼコーチに師事しています。
また、平昌オリンピックで金メダルを獲得した、アリーナ・ザギトワ選手のコーチもエテリ・トゥトベリーゼコーチです。
さらには現在はカナダでブライアン・オーサーコーチに師事しているエフゲニア・メドベデワ選手も、以前はエテリ・トゥトベリーゼコーチの門下生でした。
このように、アリョーナ・コストルナヤ選手のコーチであるエテリ・トゥトベリーゼコーチは、ロシア国内のトップだけでなく世界的にもトップクラスの選手を多く育てていることがわかります。
また、エテリ・トゥトベリーゼコーチは女子選手のコーチという印象が強いですが、2019年の夏には日本男子選手である宇野昌磨選手がこのエテリ・トゥトベリーゼコーチのサマーキャンプに参加していたことでも話題になりました。
宇野昌磨選手がこのままエテリ・トゥトベリーゼコーチの門下生になるのではないか、という噂もありましたが最終的にはエテリ・トゥトベリーゼコーチに正式に師事することはありませんでした。
エテリ・トゥトベリーゼコーチはこれまでも実力の高い選手を多く輩出してきましたので、今後どのような選手が出てくるのか楽しみです。
アリョーナコストルナヤと同じ振付師の選手は?
アリョーナ・コストルナ選手の振付師は、ダニエル・グレイヘンガウスコーチです。
ダニエル・グレイヘンガウスコーチは、ロシア女子選手の振り付けを中心に行っていて、アリョーナ・コストルナ選手の他にはエフゲニア・メドベデワ選手やアリーナ・ザキトワ選手、アレクサンドラ・トゥルソワ選手やアンナ・シェルバコワ選手の振り付けを手掛けています。
平昌オリンピックでアリーナ・ザキトワ選手が滑ったショート「オペラ座の怪人」やフリー「カルメン」などもダニエル・グレイヘンガウスコーチの振り付けです。
ザキトワ選手、金メダルおめでとう🎊
ロシア女子、平昌五輪代表選は熾烈だ pic.twitter.com/UU4KetASH7— SAANA♪日進日歩☆彡.。 (@GERBERA1207) March 18, 2017
このように、ロシアの女子選手はだいたいダニエル・グレイヘンガウスコーチが振り付けを行っていますので、よく見ると曲の世界観や振り付け、ステップなどが似ている箇所があります。
次回フィギュアスケートの試合を見るときには、ロシア勢の振り付けにも注目してみてください。
アリョーナコストルナヤのトリプルアクセルの成功率
アリョーナ・コストルナ選手は、2019年シーズンからトリプルアクセルを試合のプログラムに組み込んできましたので、試合でトリプルアクセルを跳んだ回数もまだそこまで多くはありません。
これまでトリプルアクセルを組み込み成功した試合は、2019年のフィンランディア杯とグランプリシリーズ・フランス大会とNHK杯のみです。
しかし、試合で組み込んできたトリプルアクセルは数回回転不足を取られてしまったものはあるものの、成功率は約90%であるといっても過言ではないでしょう。
それほど高い確率で、かつ高さと幅もある美しいトリプルアクセルを跳ぶことができます。
アリョーナコストルナヤの得意技は?
アリョーナ・コストルナヤ選手の得意技はジャンプ全てですが、強いて挙げるとするならばやはりトリプルアクセルでしょう。
今のロシア女子フィギュアスケート界では、若い選手がどんどんと4回転を跳んでいます。
同じくロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ選手は、男子でも難しいとされ現在でも数人しか試合で成功させていない4回転ルッツをきれいに成功させています。
しかし、なぜかトリプルアクセルを跳ぶロシアの女子選手はあまりおらず、アリョーナ・コストルナヤ選手とエリザベータ・トゥクタミシェワ選手くらいです。
そんな中、アリョーナ・コストルナヤ選手は4回転ジャンプを練習では成功させているかもしれませんが、試合ではまだ挑戦していません。
4回転を跳ばず、トリプルアクセルまでの構成で今シーズンのグランプリシリーズで2戦連勝を成し遂げているのです。
つまり、アリョーナ・コストルナヤ選手の得意技はトリプルアクセルではありますが、それ以外の3回転+3回転などの大技ジャンプも、スピンやステップなども加点やレベルの高いものを持っているからこそ、4回転を跳ぶ選手に対抗できるような点数を出すことができるのでしょう。
全体的にバランスの取れた選手であることがわかります。
このことを考えると、紀平梨花選手もアリョーナ・コストルナヤ選手と同じ4回転ジャンプなしでトリプルアクセル2本の構成ですので、紀平梨花選手がロシア勢に食い込んでいける可能性が十分あることもわかりますね。
アリョーナ・コストルナヤ選手が今後4回転ジャンプを習得したら、さらに点数は伸びて誰も敵わないようなすごい選手になるかもしれないので、今後の活躍にも期待が高まります。
アリョーナコストルナヤの経歴
アリョーナ・コストルナヤ選手は2003年に生まれ、2007年4歳の頃にフィギュアスケートを始めました。
現在16歳ですが、フィギュアスケートの国際的な年齢規定でいうと、アレクサンドラ・トゥルソワ選手やアンナ・シェルバコワ選手と同年代のフィギュアスケート選手です。
そして前述のように、アレクサンドラ・トゥルソワ選手やアンナ・シェルバコワ選手、アリーナザギトワ選手と同様にエテリ・トゥトベリーゼコーチに師事しています。
アリョーナ・コストルナヤ選手は、2017年頃までは国際大会ではもちろん、ロシア国内の大会でもそんなに注目を集めていませんでした。
しかし、2017年シーズンにロシア選手権で3位、世界ジュニア選手権2位、ジュニアグランプリファイナルで2位になるなど素晴らしい成績を残し、一気に世界中から注目されるようになりました。
また、翌2018年シーズンではジュニアグランプリシリーズ・ジュニアグランプリファイナルを制覇し、世界1位に輝きました。
そして、2019年のチャレンジャーシリーズ・フィンランディア杯で2本のトリプルアクセルを構成に組み込み、そのうち1本を成功させて優勝。
これにより、トリプルアクセルを国際大会で成功させた女子選手10人目となったのです。
2019年シーズンからはシニアに参戦し、グランプリシリーズ・フランス大会とNHK杯に出場しました。
結果は2戦とも優勝し、12月に行われるグランプリファイナルへの出場を確定させています。
今シーズンは、チャレンジャーシリーズのフィンランディア杯にも出場していますが、そこでも優勝していますので今シーズンはまだ負けなしという素晴らしい成績です。
このように、アリョーナ・コストルナヤ選手が注目され始めたのは、ここ3シーズンほどのことです。
前述のようにロシアの女子選手としては珍しくトリプルアクセルを武器にしていますので、今後4回転を習得したらどのような選手になっていくのか、今後も注目選手であることは間違いないでしょう。
まとめ
- アリョーナ・コストルナヤのコーチはエテリ・トゥトベリーゼコーチで、振り付けはダニエル・グレイヘンガウスコーチが行っている。
- アリョーナ・コストルナヤと同じコーチの選手は、アレクサンドラ・トゥルソワやアンナ・シェルバコワ、アリーナ・ザキトワなどがいる。
- アリョーナ・コストルナと同じ振付師の選手は、エフゲニア・メドベデワやアリーナ・ザキトワ、アレクサンドラ・トゥルソワやアンナ・シェルバコワなどがいる。
- アリョーナ・コストルナヤのトリプルアクセルの成功率は、約90%であると言っても過言ではない。
- アリョーナ・コストルナの得意技はジャンプ全部だが、挙げるのであればトリプルアクセルである。
- アリョーナ・コストルナは2017年シーズンの頃からであり、今シーズンシニアに参戦してからは優勝しかしていない。