「羽生結弦選手に勝てる可能性があるのはこの人しかいない」と高い評価を受けているアメリカのネイサンチェン選手。
4回転ルッツまでの4回転ジャンプを習得しているだけでなく、表現やスケーティングといった部分でも一流のフィギュアスケート選手です。
そんなネイサンチェン選手ですが、演技や衣装に対する海外の反応やグランプリシリーズの結果、これまでの最高得点などはどうなのでしょうか。
ネイサンチェン選手の演技や衣装についての海外の反応を交えて今シーズンの成績についてご紹介します。
Contents
ネイサンチェンに対する海外の反応は?
ネイサンチェン選手に対する海外の反応は様々です。
海外ファンは
「ネイサンチェンは高いポテンシャルがあるけど、本当にコーチを変えてほしい。彼のチームは間違いなく彼をジャンプマシーンにすることに熱中してて、完全に他のスケートの要素を無視している。」
と指摘している人がいました。
試合でのスケーティングや表現力に対する評価を見ると、比較的高い評価を受けているネイサンチェン選手ですが、海外のファンから見ると4回転ジャンプをたくさん跳んで点数を稼いでいるネイサンチェン選手の演技は、少しマシーンのように見えてしまうのかもしれませんね。
その一方で、ネイサンチェン選手は4回転ルッツまでの高難度ジャンプを跳ぶことができます。
4回転ルッツのジャンプを跳ぶことができるのは男子選手はでもまだ少なく、羽生結弦選手もここ最近は試合のプログラムに取り入れていませんし、宇野昌磨選手も4回転フリップは習得しているものの4回転ルッツは取り入れていません。
海外でも、ネイサンチェン選手の4回転ジャンプに対する精度の高さを高く評価しているファンが多くいます。
また、ネイサンチェン選手は4回転ジャンプだけが武器なのではなく、スケーティング技術や音の取り方、表現力なども評価されています。
また、日本のファンの間でネイサンチェン選手について話題となっているのが衣装です。衣装についてはこの後でご紹介します。
以上のように、ネイサンチェン選手は4回転ジャンプの精度や成功率が高いことが評価されており、点数的にはスケーティング技術や表現力も評価されていますが、一部のファンには4回転ジャンプマシーンのように映ってしまうこともあるのでしょう。
ジャンプと表現力をどちらも高めることは難しいことなのでしょう。
ネイサンチェンの衣装デザイナーはなぜ変わらない?
先ほどネイサンチェン選手に対する海外の反応で衣装について言及しました。
ネイサンチェン選手の衣装は毎シーズン独特な衣装で、日本のファンからも様々な意見が上がっています。
昨シーズンのネイサンチェン選手の衣装について、日本のファンは
「これは…バク?シャチ??ペンギン???」
などとTwitterでツイートしていたり、今シーズンの衣装に関しては
「既視感あると思ったら…バスの座席模様と同じ!」
と議論したりしていました。
フィギュアスケートの衣装というと、男子選手でも多少は飾りなどがあって華やかな衣装なのですが、ネイサンチェン選手のは地味で少しダサい、との意見もあるようです。
そこで、ネイサンチェン選手の衣装は誰がデザインしているのか調べてみると、なんとウェディングドレスで有名なあのヴェラ・ヴォンさんであることがわかりました。
ヴェラ・ヴォンさんはなんと元フィギュアスケート選手だったようで、これまでも1994年リレハンメルオリンピック銀メダリストのナンシー・ケリガンさんや、2010年バンクーバーオリンピック金メダリストのエヴァン・ライサチェックさんの衣装も手掛けていたのです。
そんな有名デザイナーが制作した衣装がなぜダサいと言われてしまうのか、気になるところですが、ヴェラ・ヴォンさんはフィギュアスケート選手の衣装を制作する時に心掛けていることがあるそうです。
それは、
「1人として同じエネルギー・創造性・運動性・音楽性・スタイルの人はいない」
というものです。
たしかに、ネイサンチェン選手の演技は高橋大輔選手のように華があるわけではありませんし、どちらかというとスタイリッシュでかっこいいというイメージです。
ヴェラ・ヴォンさんは、そういった選手1人1人のスケートのイメージを考えて、衣装づくりをしているのかもしれませんね。
そして、ネイサンチェン選手にもその想いが伝わって、ヴェラ・ヴォンさんに衣装を作ってほしいと思っているからデザイナーを変えないのだと考えられます。
ネイサンチェンと羽生結弦はどちらがすごい?
2019年3月に日本で開催されたフィギュアスケートの世界選手権は、これまでのフィギュアスケート史の中でも稀にある激しい闘いでした。
結果、その大会ではネイサンチェン選手が優勝したものの、羽生結弦選手の勢いがなくなったわけではありません。
むしろ、羽生結弦選手もグランプリファイナル出場を確定していて、その大会に向けて順調に仕上げてきています。
ネイサンチェン選手と羽生結弦選手はここ最近の試合で毎回優勝を争っていますから、メディアだけでなく本人たちもお互いのことをライバルであると認めています。
しかし、スケートのタイプは決して似ていません。
ネイサンチェン選手は、4回転ジャンプまでの高難度ジャンプを跳ぶことができるので、技術点で点数を稼ぐタイプです。
4回転ジャンプが上手くはまれば演技全体の完成度も高くなりますので、スケーティング技術や表現力といった点数も伸びます。
その一方、羽生結弦選手は4回転ジャンプの種類はネイサンチェン選手に比べて少ないものの、1つ1つの技の完成度が高く加点を多くもらえることができます。
また、スケーティング技術や表現力、技と技の間のつなぎがジャンプの成功失敗関わらず、常に高い評価を得ることができる選手です。
このように考えると、ネイサンチェン選手と羽生結弦選手のどちらが優れているのか、ということは簡単には比較することはできません。
ネイサンチェン選手の4回転ジャンプが上手く決まれば、それだけネイサンチェン選手のほうが点数は出ますし、反対にミスが多くなってしまえば羽生結弦選手のほうが有利でしょう。
ネイサンチェンのグランプリシリーズ2019の結果速報は?
ネイサンチェン選手は、グランプリシリーズ2019の第1戦アメリカ大会と第3戦フランス大会に出場し、どちらも制覇して12月にイタリア・トリノで行われるグランプリファイナルへの出場を確定させています。
グランプリファイナルにはネイサンチェン選手の他にも、羽生結弦選手やアレクサンドル・サマリン選手、ドミトリー・アリエフ選手、ケビン・エイモズ選手、ボーヤン・ジン選手が出場を確定させています。
しかし、グランプリファイナルでは事実上ネイサンチェン選手と羽生結弦選手の一騎打ちではないかと見られています。
お互いにライバルであることは公言していますので、意識している部分はあるでしょう。
グランプリファイナルでは、自分の演技をしっかりできたほうが勝つでしょう。
しかし、何が起こるかわからないのが試合の怖さであり、おもしろさです。
ネイサンチェン選手と羽生結弦選手以外にも、優勝の可能性は十分にあります。グランプリファイナルも目が離せないですね。
2019年12月グランプリファイナル後に追記
グランプリファイナルのフリーが終わり、グランプリファイナル2019の優勝者はネイサンチェン選手という結果に終わりました。
ショートプログラムで2位につけていた日本の羽生結弦選手は、フリーでの巻き返しを狙い、4回転ジャンプをフリーで5本跳ぶという構成で挑みました。
羽生結弦選手のフリーは、4回転ループ、4回転ルッツ、4回転サルコー、2本の4回転トゥーループという高難度のジャンプを全て成功させましたが、得意としている後半のトリプルアクセルでミスがでてしまいました。
やはり4回転ジャンプをプログラムでやるということはそれだけ体力を消耗しますし、簡単なことではありません。
羽生結弦選手も後半になっていくにつれ、少し疲れているように見えました。
しかし、羽生結弦選手はこのグランプリファイナルで約2年ぶりに4回転ルッツに取り組んできました。
以前、羽生結弦選手は4回転ルッツの着地の際に、右足首を怪我してしまいそれ以降は試合で取り入れることは避けてきました。
しかし、4回転ルッツを綺麗に跳ぶネイサンチェン選手に勝つためには、自身も4回転ルッツが必要だと感じたのでしょう。
久しぶりに試合で跳んだ4回転ルッツはとてもきれいに降りましたので、この点では羽生結弦選手の自信にもなったのではないでしょうか。
グランプリファイナル2019で優勝を果たしたネイサンチェン選手は、これでグランプリファイナル三連覇という記録を打ち出しました。
羽生結弦選手への大歓声の中登場したネイサンチェン選手でしたが、しっかりと自分に集中しており、曲がかかった瞬間から会場を自分の世界へと変え、観客を魅了していきました。
ネイサンチェン選手も羽生結弦選手と同じく5本の4回転ジャンプに加えて、トリプルアクセルも綺麗に成功させ誰が見ても圧巻の演技でした。
グランプリファイナル2019はネイサンチェン選手の優勝に終わりましたが、男子フィギュアスケート界は急激に4回転時代へと変わっていきました。
来年のグランプリファイナルではどんな演技を見ることができるのか、すでに今から楽しみですね。
ネイサンチェンが出した世界最高得点は何点?
ネイサンチェン選手が世界最高得点をたたき出したのは、2019年3月に日本で行われた世界選手権でした。
2度のオリンピックを制している羽生結弦選手は、今年の世界選手権でも優勝最有力候補と言われていましたが、ショートプログラムでジャンプのミスがあり、首位に立ったのはネイサンチェン選手でした。
フリーでは、羽生結弦選手が巻き返しにくるだろうと予想されていましたが、結果的にネイサンチェン選手が世界最高で優勝したのです。
羽生結弦選手のフリーも完璧な演技に見えましたが、実際にはジャンプの着氷ミスや回転不足で原点を取られていました。
それに対し、ネイサンチェン選手は羽生結弦選手よりも高難度の4回転ジャンプを完璧に決めていたのです。
この時出した世界最高得点が323.42点でした。
先日のグランプリシリーズ・カナダ大会で羽生結弦選手が完璧な演技をしても322.59点だったことを考えると、なかなか破られない点数であることがわかります。
前述のように、これまでの世界最高得点は2019年3月の世界選手権でネイサンチェン選手がマークした323.42点でしたが、グランプリファイナル2019でその記録が塗り替えられました。
現在の世界最高得点は335.30点で、またしてもネイサンチェン選手が塗り替えました。
これは、自身が持っていた世界選手権の点数を12点近く上回っており、世界に衝撃を与えました。
これだけすごい点数が出たため、ネイサンチェン選手自身も驚いたと言っていましたが、後半のスタミナ不足を痛感したとまだまだ満足はしていません。
今後、この高得点を誰が塗り替えるのか、そしてその得点を出すにはどんな演技をするのか、非常に楽しみです。
今後、ネイサンチェン選手が打ち出したこの点数を、誰が破るのかにも注目です。
まとめ
- ネイサンチェンは4回転ジャンプを跳ぶことができスケーティング技術や表現力も評価されているが、海外のファンの一部からは4回転マシーンに見えてしまっているという意見もある。
- ネイサンチェンの衣装デザイナーはヴェラ・ヴォンであり、衣装デザイナーを変えることは今のところないだろう。
- ネイサンチェンと羽生結弦は、スケートのタイプが違うため簡単には比較することができない。
- ネイサンチェンはグランプリシリーズを2戦とも制し、グランプリファイナルへの出場を確定させている。
- ネイサンチェンがたたき出した世界最高得点は、323.42点だった。