現在の女子フィギュアスケート界で最も美しいトリプルアクセルを跳ぶことができると言われている、紀平梨花選手。
2019年10月に行われたグランプリシリーズ・カナダ大会でもトリプルアクセルを決め、総合で2位に入りました。
海外からの反応もよく、今後の試合にも期待がかかります。
しかし、ロシア勢の活躍も見逃せない大会でもあり、今後のフィギュアスケート界がどうなっていくのか非常に気になります。
今回は、紀平梨花選手のカナダ大会結果とそこから考えられるフィギュアスケート界の今後の展望についてご紹介します。
紀平梨花のカナダ大会の結果は?
紀平梨花は、2019年10月に行われたグランプリシリーズ第2戦のカナダ大会に出場し、総合で2位という結果を収めました。
グランプリシリーズは1選手最大2試合まで出場することができ、その2試合の順位により上位6選手のみがグランプリファイナルに進むことができます。
紀平梨花選手は昨年もグランプリファイナルに初出場し、初優勝しています。
今回のカナダ大会は紀平梨花選手にとってグランプリシリーズ初戦となりましたが、2位という結果を収めましたので、グランプリファイナルへの出場権も2戦目の結果次第で獲得することができます。
今回のカナダ大会は、ショートで見事なトリプルアクセルを決め、ショートプログラムで今季世界最高得点となる81.35点をマークし首位に立ちました。
紀平梨花選手も得点には驚いた様子で、世界各国にその実力を見せつけたのです。
しかし、翌日のフリープログラムでは得意のトリプルアクセルで着氷が乱れてしまい、普段は加点をもらえるジャンプですが大きく減点されてしまいました。
その後のジャンプは全て成功させたものの、ショート1位を守り切れず総合2位。
試合後、紀平梨花選手は悔しさをにじませていましたが、紀平梨花選手にとって2戦目となるNHK杯に向けて気持ちを切り替えて臨んでほしいですね。
紀平梨花のカナダ大会の動画は?
紀平梨花選手のカナダ大会フリーの動画をご紹介します。
今シーズンの紀平梨花選手のショートは、「ブレックファースト・イン・バグダッド」という曲で、振り付けはシェイ=リーン・ボーン。
シェイ=リーン・ボーンは、元アイスダンスの選手ですが現在は主に振付師として活動しており、これまでも日本人選手も多く振り付けしています。
また、荒川静香さんが主催している、フレンズ・オン・アイスにもメンバーの一員として出演しており、日本ファンも多くいる方です。
そしてフリーは、「International Angel of peace」という曲で、振り付けはトム・ディクソンです。
トム・ディクソンは、元男子フィギュアスケート選手で、シェイ=リーン・ボーンと同じく現在は振付師として活動しています。
羽生結弦選手や樋口新葉選手、宮原知子選手などもトム・ディクソンに振り付けを依頼しており、日本人選手にとっては繋がりの多い方です。
今シーズンの紀平梨花選手のプログラムは、ショート・フリーともにかなり難しい曲ですが紀平梨花選手は細かい音まで拾っており、休む暇もないくらい動いているので高評価を得ています。
ショートプログラムの演技動画はこちらです。
フリーの演技動画はこちらです。
衣装も素敵なので、そちらにも注目して見るのがおすすめです。
紀平梨花の海外の反応は?
グランプリシリーズ・カナダ大会で紀平梨花選手のショートプログラムの演技に対して、海外メディアからも大絶賛されていました。
紀平梨花選手の完璧すぎるトリプルアクセルに対し、アメリカ名物記者であるジャッキー・ウォン氏は、
「彼女はまるでトリプルアクセルの女王かのように演じた。スケートカナダ2019でのリカ・キヒラの目を見張るようなショートプログラム」
とツイートしていました。
また、ルーマニアのフロレンティナ・トーン記者が展開するスケート専門メディア「インサイド・スケーティング」のツイッターは、
「皆様、スケートカナダでリカ・キヒラがケローナの氷上で跳びました。リカのあっと言わせるスケート。釘付けだった。」
と絶賛していました。
さらに、オリンピックチャンネルの公式サイトも、
「今季最高となる81.35を得点した堅実なプログラムで、彼女の代名詞の3回転アクセルを綺麗に着氷した後、プロスぺら・プレイスの観衆からスタンディングオベーションを受けた」
と伝えていました。
これらもコメントからもわかるように、紀平梨花選手は海外メディアから大絶賛されたことがわかります。
やはり紀平梨花選手のトリプルアクセルは目を引くものがあり、紀平梨花選手の最大の武器になっていることがわかります。
今後もその素晴らしいトリプルアクセルに注目です。
優勝したロシアの選手は誰?
先日のグランプリシリーズ・カナダ大会で2位だった紀平梨花選手ですが、1位はロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ選手でした。
ここ数年で女子選手でも4回転ジャンプを跳ぶ選手が出てきましたが、トゥルソワ選手もそのうちの1人です。
トゥルソワ選手は、1種類だけでなく何種類も4回転ジャンプを跳ぶことができます。
しかも、1番難しいジャンプである4回転ルッツを成功させているため、現在の女子選手の中では1番の4回転ジャンパーであると言っても過言ではないでしょう。
カナダ大会では、冒頭の4回転サルコウは転倒してしまったものの、その後の4回転ルッツと4回転トゥーループはきれいに決めていました。
トゥルソワ選手の4回転ジャンプについて羽生結弦選手も分析をしていて、
「トゥルソワ選手はどちらかというと力で跳ぶタイプの選手なので、たぶん体幹もすごく強いだろうし、体のバネはすごくあるのかなという感じは受けました。」
とコメントしていました。
しかし驚くのは、トゥルソワ選手がまだ15歳であるということです。
15歳にしてこんなにも4回転ジャンプを習得していますが、ロシアは選手の入れ替わりが非常に激しいので、トゥルソワ選手は今後どうなっていくのかとても楽しみです。
女子フィギュアの今後の展望は?
今や紀平梨花選手をはじめ数人の選手がトリプルアクセルを習得していますし、日本でもジュニアの選手たちがトリプルアクセルを習得しています。
今後は、女子でもトリプルアクセルを跳べることが当たり前になるだろうと考えられます。
また、前述のように今ではロシアの数人の選手しか4回転ジャンプに成功していませんが、紀平梨花選手も練習では4回転ジャンプに挑戦していますので近いうちに試合にも組み込んでくるでしょう。
そうなると、女子もトリプルアクセルと同じくらいの時期に4回転時代がやってくるのではないかと言われています。
しかしトリプルアクセルや4回転ジャンプというのは、やはり身体に負担がかかりますし、その分怪我をするリスクも大きくなってきます。
ロシアの選手の選手寿命が短い理由の1つには、難易度の高いジャンプを繰り返し行っているから、ということも挙げられているほどです。
女子にも4回転時代がくるのは楽しみ反面、選手のみなさんには怪我に十分気をつけてほしいですね。
紀平梨花のコメントは?
紀平梨花選手は、カナダ大会の自身の演技について
「冒頭のトリプルアクセルで踏み切りのタイミングが外れてしまって修正がきかないくらい軸がぶれてしまった。それでも230点を超えることができたのですごい成長だと思った。ノーミスを続けていかなくてはいけないなという課題が見つかったので、次の試合に向けて頑張るぞという気持ちになった」
と振り返っていました。
しかしその一方で優勝したロシアのトゥルソワ選手については、
「これまでの試合ではギリギリで越せるかもしれないという点数はあったが今回はすごく圧倒され、ノーミスの演技をしても越えられるかわからないような点数だった。」
と、その差を実感したようです。
前述のように紀平梨花選手も4回転を練習では跳んでいますが、試合で挑戦するにはまだ時間が必要であることに加え、現在現在は左足を怪我していて、練習を積める状態ではないようです。
まずはその怪我を回復させることが優先と話していました。
4回転にはまだ挑戦できないという紀平梨花選手ですが、トリプルアクセルに関しては今世界で1番美しく跳ぶことのできる女子選手、と言っても過言ではないでしょう。
その武器を自信に、今シーズン残りの試合も実力を見せてくれるのを期待したいですね。
まとめ
- 紀平梨花は、カナダ大会で総合2位だった。
- 紀平梨花選手は、トリプルアクセルを武器に海外メディアからも大絶賛されていた。
- 2019年のグランプリシリーズ・カナダ大会の優勝者は、ロシアのアレクサンドラ・トゥルソワ選手だった。
- 今後の女子フィギュアスケート界は、トリプルアクセルや4回転を跳ぶことのできる選手が増え、女子も4回転時代が訪れるだろう。
- 紀平梨華は、カナダ大会で課題を見つけることができたものの、ノーミスの演技をしなければロシアの選手には勝てないと実感したようだ。